2017/11/21

厚労省が公表したブラックリスト!?労基法等違反の公表事例 まとめ (平成29年11月16日までの公表分)

執筆者 編集部弁護士

厚生労働省は、2017年5月10日から、労働基準法等の労働基準関係法令に違反したとして書類送検を行い、企業名を公表した事例について、同省のHPに掲載しており、今後は、毎月更新する予定とのことです。(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf

この労働基準法等の違反事例リストは、メディアではなかなか報道されない中小企業の事例も含めて、いわゆるブラック企業でどのようなことが行われているか、また労働基準監督署がどのような事例の送検を行っているかを知る上で、参考になるかと思いますので、その内容をまとめてみました。

※下記事例は厚労省が公表した事例のみであるため、労基署が指導を行った事例は下記事例以外にも多数あると考えられます。

【平成29年11月16日に公表された分までの611件についてまとめています。】

※同年7月14日公表分以降に掲載されていた事例を含みます。

※主な違反法条に注目して整理しています。

A)労働基準法(労基法)に違反して送検された事例:112件<新規に7件追加>(全体の約18%)

<労基法32条違反事例>

1.36協定の締結・届出なく残業等を行わせた事例:13件

<新規に1件追加:山梨県 (株)ミラプロ>

2.36協定の上限時間を超えて残業等を行わせた事例:49件

<新規に4件追加:愛知県 (株)朝倉商店、大阪府 上野輸送(株)西日本支店大阪事業所、奈良県 (有)エム・ケイ運輸、佐賀県 (株)大生物流>

※ 厚労省の公表内容には明記されていませんが、36協定の上限時間を超える残業に対しては残業代が支払われていない場合が多いので、上記49件には残業代未払いの事例が多数含まれると推測されます

電通(本社・支社合わせて4社)、エイチ・アイ・エス、三菱電機、パナソニック等の有名企業もこの問題で送検されています。

3.その他の労基法32条違反(違法な残業(時間外労働)):6件

<新規に1件追加:埼玉県 (有)ラビット>

<賃金・残業代の未払い>

4.労基法24条違反(賃金未払い:18件

B)の最低賃金法違反の事例の一部と同じ賃金自体の未払いです。
未払いの金額は、最低6万円から最大870万円(追加された(有)小川興企)までが公表されています。。

5.労基法37条違反(残業代等の未払い:10件

残業代未払いについても送検が行われています。今回、ヤマト運輸が送検されたのも、この労基法37条違反です。

①従業員9名に定額の残業代(固定残業代)を超える残業代(割増賃金)約600万円を支払わなかった事例(山梨県 (株)ニューズ)
基本給に定額の残業代(固定残業代)が含まれている場合や、定額の残業手当を支払っている場合でも、実際の残業時間に基づく残業代が定額の残業代を超えているときには、差額の残業代を従業員に支払う義務があります。(詳しくは、残業代Q&Aをご覧ください。)
この事例では、その差額の残業代を支払っていないことを理由に送検されています。

②従業員7名に1か月間の残業代約96万円を支払わなかった事例(三重県 (株)アンデルセン)

<その他の労働法違反>

6.労基法120条、104条の2違反(労基署に対する虚偽報告等):8件

例:労基署長に対して、従業者の労働時間の記録について虚偽の報告をした事例(長野県 (医)ゆりかご)

7.その他の労基法違反(外国人留学生の強制労働等):8件

<新規に1件追加:熊本県 (有)福岡産業(他社から派遣された労働者を別の会社に派遣する二重派遣により、利益を得た中間搾取)>

 

B)最低賃金法4条に違反した事例:95件<新規に19件追加>(全体の約16%)

1.賃金自体の未払い:87件

<新規に19件追加:北海道 東和レジスター札幌販売 (株)、青森県 イシオカ産業、東京都 (有)ホーシン、新潟県 クリアウォーター21 新潟サポートセンター、新潟県 (株)結、新潟県 居酒家てくてく、三重県 プロシードシステム(株)、兵庫県 (有)暫、岡山県 (株)エコシステムグループ、岡山県 (株)エコシステムコミュニケーションズ、徳島県 (株)岡住宅、愛媛県 (株)くし秀、福岡県 (株)サンヒルズ、福岡県 セラーストーン(株)、福岡県 正栄電動サービス、福岡県 (株)大川しいたけ、福岡県 (株)伝心、福岡県 (株)ビーコネクト、沖縄県 中頭コンクリートブロック (株)>
公表された未払い賃金の金額は、平均約295万円、中央値が130万円でした。
未払い賃金の金額の最高額
は、なんと4010万円でした。

他方、最低額は3万円でした。(ただし、公表された事例の未払額が少額であっただけで、当該企業で過去に他の労働基準関係法令の違反があった可能性もあります。)

未払い賃金の額が大きかった事例:

①従業員91名に対して賃金約4010万円を未払い(岡山県 (株)エコシステムグループ)

②従業員53名に対して賃金約2218万円を未払い(京都府 (株)プラスバリューケア)

③従業員9名に対して賃金約1483万円を未払い(新潟県 (特非)アニマルフレンズ ジャパン)

④従業員10名に対して賃金約1349万円を未払い(京都府 (株)ナイキシステム)

③従業員41名に対して賃金約1233万円を未払い(岡山県 (株)エコシステムコミュニケーションズ)

④従業員6名に対して賃金約1090万円を未払い(栃木県 (同)PLuck)

2.支払った賃金の額が最低賃金を下回っていた事例:6件

東京、愛知、京都等の都市部が5件を占めていました。
なお、対象者となった従業員が1名でも送検された事例がありました。(ただし、公表された事例の対象従業員が1名であっただけで、当該企業で過去に他の労働基準関係法令の違反があった可能性もあります。)

3.その他(賃金支払いの遅れ等):2件

 

(C)労働安全衛生法等に違反した事例:404件<新規に49件追加>(全体の約66%)

主な事例は下記の通りでした。

1.労働安全衛生法第20条違反:141件

機械等の設備や引火物、電流等による危険の防止措置を講じる義務に違反

2.労働安全衛生法第21条違反:110件

高所にある作業場から従業員が落下する危険を防止する措置や、はい(積まれた荷)の崩壊を防止する措置等を講じる義務に違反

3.労働安全衛生法第100条違反:58件

労基署に対して虚偽の報告をしたこと、または必要な報告をしなかったこと等

厚生省が新たな事例を公表するのに合わせて、今後も毎月更新していく予定です。

 

今すぐ残業時間の証拠を確保したい方は残業証拠レコーダーをダウンロード!

サービス残業をしているけど、タイムカードなどの労働時間の証拠がない。そんな方にお勧めなのが、スマートフォンにインストールしておくだけで、労働時間の証拠が残せるアプリ残業証拠レコーダーです。いつかは残業代を請求したいという方は、残業証拠レコーダーで証拠を残しておけば、退職後などに残業代を請求できます。残業証拠レコーダーでは、残業代の推計も可能です。
また、残業代を今すぐ請求したいという方は、残業代・解雇弁護士サーチで、労働問題を扱っている弁護士を検索できます。

おすすめの記事

  1. なぜ電通はたった罰金50万円なのか?違法な残業命令・残業代不払いに対する労基法上の罰則・ペナルティまとめ(弁護士が執筆)
  2. GPSを証拠として残業時間を認定した裁判例の解説(弁護士が執筆)
  3. 実は重要!?裁判における残業時間の認定方法 (弁護士執筆)

自動で残業時間の証拠を確保し、簡単に未払い残業代を取得することができる!
弁護士が開発した、示談交渉・裁判の証拠として使えるアプリ!

無料今すぐダウンロード !!

  • App Storeからダウンロード
  • Google Playからダウンロード

今すぐ弁護士に相談したい方・残業代を取得したい方は、
「残業代・解雇弁護士サーチ」で残業代請求・解雇に強い弁護士を検索できます。