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2019/01/29

出ない業種はほとんど無い!残業代が出る業種と出ない業種(弁護士監修)

執筆者 編集部

今回の記事では残業代が出る業種と出ない業種について紹介します。自分の職種は残業代を請求することができないと聞いていても、実は請求することができる場合があります。この記事がそんな方のお役に立てると幸いです。

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1. 残業代が出ない職種とは

基本的に、その業種が理由で残業代が出ないということはほとんどありませんしかし、以下の①~⑤にあてはまる職業の方は業種を理由に残業代が出ない可能性があります。

①農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業等
②社長秘書・役員秘書等
※医療秘書・弁護士秘書・学者秘書の方や、秘書室長等の指示で働く方は、残業代を請求できます。(詳しくは4をご覧下さい)
③監視・断続的労働従事者:警備員、マンション等の管理人、学校の用務員、役員等の専属運転手など(詳しくは5をご覧下さい)
※タクシー運転手や長距離トラックの運転手の方は、他の業種の方と同じように、残業代を請求できます。
④家事使用人(いわゆる「家政婦」)。
ただし、家政婦を派遣する会社に勤務している方は、他の業種の方と同じように、残業代を請求できます。 (詳しくは7をご覧下さい)
⑤裁量労働制の対象業種(詳しくはQ4-3こちらの記事をご覧ください。)

上記の5つに当てはまらない方は、業務を理由に残業代が出ないことはありません。
国家公務員の方と船員の方については、残業代は請求できますが、他の業種の方と残業代の計算方法が異なります。 (国家公務員の方については、詳しくは2をご覧下さい。)

次の項目から、それぞれについてより詳しく説明していきます。

2. 国家公務員の場合

たしかに、国家公務員には労働基準法は適用されませんが、特別職(自衛隊職員等)以外の一般職の方は、一般職の職員の給与に関する法律16条により、原則として残業代(超過勤務手当)を請求することができます。

休日や深夜に労働した場合、同法16条、17条又は18条により、原則として、超過勤務手当や休日給、夜勤手当を請求できます。
※ 自衛隊職員等の特別職の方の給与や残業代の有無については、防衛省の職員の給与等に関する法律等の各法令で定められています。

残業代請求のために残業時間の証拠を残したい方には、「残レコ」というスマートフォンアプリがおすすめです。「残レコ」は、GPSを利用して自動で残業時間の証拠を残し、残業代の計算までしてくれるというものです。
ただし、国家公務員の方の残業代の計算方法は、一般の方と少々異なるため、「残レコ」の表示金額はあくまで参考金額となります。(現バージョンの残レコは国家公務員の方の残業代計算には対応しておりません。)
しかし、労働時間の証拠を残すという点において、この「残レコ」は大いに役立つため、国家公務員の方にもお勧めです。

3. 農業・水産業等の場合

農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業などの業種の方は、深夜労働手当以外の残業代を請求できない可能性があります。 これは、これらの業種の方には、残業代や休日労働手当に関する労働基準法の規定が適用されないためです。 適用されない理由としては、これらの業種は季節や天候などの自然の条件によって影響を受けるため、各規定の適用ができないと考えられるためです。

もっとも、これらの業種の方でも、会社との契約の内容によっては、残業代や休日労働手当を請求できる場合もあります。 また、午後10時から午前5時までの間に働いた場合は一般的な他の業種の方と同様に深夜労働手当(深夜割増賃金)を請求することができます。

労働基準法上は残業代の支払義務がないとはいっても、常に残業代などが請求できないということでは無いのです。

また、ここで注意していただきたいのは、林業の方は通常の方と同様に残業代を請求できるということです。
農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業などの業種の方は、残業代の請求を検討する際に、契約上、残業代が出るのか、弁護士に相談してみるとよいかもしれません。

4. 秘書の場合

社長秘書や役員秘書等の方は、労働基準法上の「機密の事務を取り扱う者(機密事務取扱者)」に当たり、深夜労働手当以外の残業代を請求できない可能性があります。

理由は、機密事務取扱者には、残業代や休日労働手当に関する労働基準法の規定が適用されないためです。
※機密事務取扱者とは:秘書等、職務が経営者又は管理監督者の活動と不可分であり、厳格な労働時間管理が適切でない者のこと。つまり秘書のように、その使用者に合わせて行動するため、明確な労働時間を定めにくい者のこと。

もっとも、これらの方でも、会社との契約の内容によっては、残業代や休日労働手当を請求できる場合もあります。 また、秘書の方も午後10時から午前5時までの間に働いた場合は深夜労働手当(深夜割増賃金)を請求できます。

他方、医療秘書・弁護士秘書・学者秘書の方や、秘書室長等の指示で働く方は、通常の従業員と同様に、残業代を請求できます
また、コンサルタントや金融業の方など、顧客の秘密を扱っている方も、「機密事務取扱者」には該当しないので、通常の方と同様に残業代を請求できます。

あなたが「機密事務取扱者」に当たるかどうかは、個別の事情を踏まえて判断する必要があるため、残業代の請求を検討する際に、お近くの弁護士に相談してみるとよいでしょう。

5. 警備員、マンション管理人の場合

守衛、踏切番、小中学校の用務員、役員等の専属運転手、団地やマンションの管理人、ビルや工場の警備員など、待機時間が長い監視業務や断続的業務に従事する方は、労働基準法上の「監視又は断続的に労働に従事する者(監視・断続的労働従事者)」に当たる可能性があります。監視・断続的労働従事者に当たる場合、会社等が労基署から労働時間規制の適用除外の許可を得ている場合、深夜労働手当以外の残業代を請求することができない可能性があります。

なお、単に就業規則を労基署に提出しているだけの場合は、労働時間規制の適用除外の許可を得たことにはなりません。

もっとも、これらの方でも、会社との契約の内容によっては、残業代や休日労働手当を請求できる場合もあります。 また、他の業種と同様に午後10時から午前5時までの間に働いた場合は深夜労働手当(深夜割増賃金)を請求できます。

なお、タクシー運転手や長距離トラックの運転手の方は、他の業種の方と同様に、残業代を請求できます。
また、平常業務に加えて、時々、宿日直がある方については、少なくとも、平常業務については、他の業種の方と同様に、残業代を請求できます。宿日直の日の残業代については、本記事6あるいはQ5-6をご覧ください。

あなたが「監視・断続的労働従事者」に当たるかは、個別の事情を踏まえて判断する必要があるため、残業代の請求を検討する際に、お近くの弁護士に相談してみるとよいでしょう。

6. 宿直勤務や、休日の日直勤務の場合

定時的な見回り、緊急の文章・電話の収受、非常事態に備えての特機等のための宿直勤務や休日の日直勤務については、会社等が労基署から特別な許可を得ている場合、深夜労働手当以外の残業代を請求することができません。(代わりに宿日直手当が支給されます。)

なお、単に就業規則を労基署に提出しているだけの場合は、5の場合と同様、上記の許可を得たことにはなりません。

以上の場合でも、他の業種と同様に午後10時から午前5時までの間に働いた場合は深夜労働手当(深夜割増賃金)を請求できます。
他方、宿直勤務や日直勤務以外の平常業務については、他の業種の方と同様に、残業代を請求できます。

あなたが宿直勤務や休日の日直勤務をしたときに残業代を請求できるかは、個別の事情を踏まえて判断する必要があるため、残業代の請求を検討する際に、お近くの弁護士に相談してみるとよいでしょう。

7. 家政婦の場合

家政婦の方でも、いわゆる家事代行会社の従業員として、会社の指示で顧客の自宅に派遣されて働いている場合は、通常の方と同様に、残業代を請求できます。

他方で、顧客と直接契約している家政婦の方や、自分の会社の役員等の自宅で働く家政婦の方には、労働基準法が適用されません。その理由は、家政婦の労働の態様は、他の事業における労働とは相当異なったものであり、他の事業に使用される場合と同一の労働条件で規制するのは適当ではないと考えられるからです。

このような方も、雇用主との契約内容に従って、残業代や休日労働手当等を請求できる場合も多いと思われますが、契約内容によっては、残業代等を請求できない可能性があります。

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